日銀はインフレ恐怖症だったのか?

えー、とにかく冷静に。落ち着いてやります。リフレの話。


民主党支持者としての執行部のアベノミクス批判への愚痴


 昨年11月25日の増田日記。今更ですけど、ブックマークが1200もついて、確かになかなかの良記事と思います。未読の方は是非読んでみてください。(出来れば先に読んでおいて頂きたい)

 これはそんなに荒れたことは書けませんね。ただ、気になるのはブコメでの絶賛かな。ここまで絶賛される内容か?ツッコミどころはそれなりにあるのに。ので、ツッコミ記事を書きます。今なら落ち着いて書ける。はず。
 
 ただ、このテの話でやっかいなのは、とてもじゃないが全ての要素を書ききれるものではない、というところです。私が何か指摘を書いても、それは単にそこまでは記事に盛り込めなかっただけ、かも知れませんし。
 また逆に、私のアンチテーゼには、マンデル・フレミング問題だの、クラウディングアウト問題だの、面倒なので書かないつもりですが、ゆえに「コイツはマンデル理論が解ってない」というようなツッコミが入り得る余地が出来てしまう、ということ。なので経済論争とは果てしなく不毛だったりするのですけれど。
 
 よっていつも可能な限り理論武装しようとしてしまうのですが、そんなことをしているとすぐに長文になってしまって、仕方なく前編後編に分けて延べ5000文字以上になっていたり。回りくどくて読みにくくなったりする。おかげで読者も集まらないし、やっかいだなあ。
 
 というわけで、さっそく冒頭から言い訳ばかりですが、出来るだけシンプルにまとめようと思います。今回のツッコミはここ。

日本銀行には、第一次石油危機の時の高インフレや、バブル経済の時代に金融緩和をしすぎた記憶から、インフレは悪だという認識が根強くあります。
デフレでも良いからとにかくインフレにならないような金融政策を行ってきました。
38度の熱を出してしまったトラウマが忘れられなくて体温を34度に保って体を鍛えようとしている人がいたらまず36度ぐらいまで体を温めろよと言うと思うんですが、体温を上げるのは絶対に許せないと言う考えが日本銀行には強くあります。


 これは完全にダウト。80年代後半のバブルは確かに金融政策の失敗が原因です。しかしそれは38度なんていう生易しいものではありません。不良債権が何十兆も発生し、多くの人が破産したり、大手証券会社までもが倒産したり、銀行が経営危機になったり。後始末に5年以上も掛かっている。50度くらい熱出てたんじゃないの、っていう。この時上がっていたのは地価や株価で、簡単に3倍とか4倍とかになっていた。これは金融緩和による融資の増大によるものです。「押し貸し」って訳じゃないけど、銀行はかなり無理矢理な融資をして、それが土地の転売とかに利用されていたはず。地価は絶対に下がらないって「神話」が流行って。


 資産価格のインフレ率が年3%どころか、300%とか普通になっていましたからね。中央銀行は「資産インフレ恐怖症」です。そりゃ恐怖するでしょうよ。資産インフレは金利や通貨量では全くコントロールできない。インフレの桁が違う。インフレ率が年300%ってどうですか?微熱ですかね?数%の金利調整だけでコントロールできるの?


 中央銀行が恐れていたのはそういうことです。ある程度成熟した経済では実体的な融資先が見つからず、すぐにマネーゲームにカネが流れる。資産は結構ハイパーじみたインフレになり、全くコントロールできない。で、いずれはみんな不良債権化するかも、っていう。数年後にはハイパーデフレ、なんですよ。


 これ、更に別の問題に飛び火していきます。例えば、ある会社の所有する土地や株の評価額が一億円だったとします。それが一年後には三億円とかになってるわけです。すると、経営資金としてそれを担保にカネを借りれますが、去年は上限一億だったのが今年は三億円借りられる。で事業拡大しようとか。銀行もそそのかしてくるわけです。でもバブルが崩壊して不景気になるとその事業が頓挫したり。で資産評価も三億だったのが一億以下になっています。銀行は債権を全く回収できなくなる。こうやって90年代には、凄まじいまでの不良債権が発生しました。


 というわけで、中央銀行はビビり過ぎ、「インフレ恐怖症」がけしからん!というのは如何なものかと。バブルの害を舐めすぎではないでしょうか。


 他のツッコミどころとしては。冒頭に某「社会派ブロガー」さんのツイートが貼ってありますね。「この人相変わらず解ってないよなー」ってな感じで、例の如くいつもの如く批判されていますが、これ擁護記事書いてみようかな。

SONJA-NE !


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