新古典派経済学入門

 「はてなブログ今週のお題は「自由研究」だそうなので「自由」についての研究記事を書いてみます。「自由主義的な経済理論」についてなんですけどね。現代自由主義の始祖と言えばハイエクフリードマン。今回は、私が勉強してきた成果を発揮しまして、出来るだけ専門的な用語!著名な学者!などを無闇矢鱈と連発し!賢そうなフリをしつつ煙に巻きつつ、現代の自由主義的な経済学の神髄を表現してみせましょう。結構難しい話なので、適当に読み流していると訳が解らなくなってしまうかも知れませんのでご注意を。なんせ書いている本人が全く解っていません。まあとにかく、「長期的に効用は最大化される」ということです。

効用最大化

 「合理的経済主体」や「経済人」が経済合理性を最大限考慮しつつ合理的に判断し「効用関数」や「セイの法則」に従って経済活動するってのは新古典派初心者の私も聞いたことがあります。「一般均衡理論」や「限界効用理論」が経済活動全般に於いて成立する、ということです。これは新古典派経済学の基本中の基本です。つまりケインズ(John Maynard Keynes)の「一般理論」や、スティグリッツ(Joseph Eugene Stiglitz)の提言する「需要喚起型財政政策」などは、限界効用理論を無視しており、実体経済を歪めてしまう、誤った理論なのです。確かに近年では、そもそもは新古典派であったサマーズ(Lawrence Henry Summers)やクルーグマン(Paul Robin Krugman)さえも、サブプライムバブル崩壊以後、ケインズ理論の重要性を説いたり、ミンスキー(Hyman Philip Minsky)の唱える、いわゆる「ミンスキー・モメント」などという戯れ言を真に受けて、ボルカー・ルールによる投資規制の必要性を主張したりしています。しかし彼らの考えは誤っています。一時的には不都合に見えるような事態も、確かにあるのかも知れませんが、長期的に必ず効用は最大化されます。ミンスキーなど、シカゴ学派の裏切り者です。新古典派経済学安愚楽牧場「ポンジー・スキーム」*1 に準えるなど、そもそも経済の仕組みを全く理解していない証拠です。こんな人がシカゴ大学出身だとは残念極まりない。シカゴの恥さらしと言えましょう。

Chicago Boys

 この新古典派経済学の総本山が、シカゴ大学。代表的な学者と言えば、ハイエク(Friedrich August von Hayek)、フリードマン(Milton Friedman)、マンデル(Robert Alexander Mandel)など。

 ハイエクの提唱した自由主義的保守思想や自然国家規範、そしてフリードマンの提唱した自由主義経済理論。この二者の理論により、現代世界は支えられているのです。そして今後はよりいっそう、そうあるべきです。政治家も大衆もマスコミも、この事実をよく理解していません。しかし、それが現実なのです。たかがアメリカ、ヨーロッパのバブル崩壊程度で、現代政治思想及び経済学の始祖である、この両者の理論を否定するなどあってはなりません。バブル崩壊など一時的な現象に過ぎず、長期的に必ず効用は最大化されるのです。

 そして、マンデルの功績も重要です。ユーロの金融・経済システムは、主に、このシカゴ学派の巨匠、ノーベル経済学賞受賞者でもある、マンデルの理論に基づき構築されています。しかし、現在のユーロはどうなっているでしょうか?スペイン、イタリア、ギリシャの若年層失業率は30~50%にも達しています。どうしようもないので、一部の人は仕方なく祖国を離れ、仕事を探してドイツやオランダへ移動しているとか。

ユーロ・システム

 仕事を自分で見つけられない、仕事のある地域や国へ自分で移動できない、自分でイノベーションを起こせない、という多くの若者達。確かに彼らは「合理的経済主体」や「経済人」には見えません。「セイの法則」からも外れているように見えます。困った人達です。新古典派経済理論では、確かに彼らを合理的には説明できていません。「わがまま」だとか「自己責任」だとか「休暇を満喫しているだけだ」とか。某ヘーゾー先生なら「若者には貧乏になる権利がある」という訳でしょうか。彼らが本来は「合理的経済主体」であるなら、なぜ(50%も!)失業しているのでしょうか。残念ながらこの事実を、経済学ではうまく説明することができません。しかし、説明出来ないのは当然だし、そもそも説明する必要はないのです。いったいなぜ彼らは「合理的経済主体」になれないのでしょうか。
 ええ、私は知っていますよ。それは「経済学」ではなく、「現実」の側に問題があるからです。何らかの要因により現実経済が歪められているため、彼らが不幸に陥っている、というわけです。長期的に必ず効用は最大化されるのです。
 
 
「間違っていたのは経済学じゃない。世界の方だ!」
                (by Lelouch Lamperouge R2 E.E.2000~2018)

 
 その間違いの最大の原因が「規制」です。「規制」が邪魔をしているのです。そして「既得権益」が悪いのです。「構造改革」が必要なのです。「経済に巣くう悪魔」はドリルで破壊すべきなのです。それしか彼らを救う方法はありません。もしそれで救われなかったのなら、まだまだ改革が足りないのです。

計画通り!

 確かにユーロでは、加盟各国の金融・財政政策の主権が制限されており、各国政府は失業対策のための政策を、ほとんど打つことができないようになっています。しかし、そもそも「財政政策」は利権の温床になりやすいため、行うべきではありません。実体経済をゆがめてしまうものです。これはハイエク自由主義思想に基づいて勘案すれば、当然のことです。長期的に必ず効用は最大化されるのですから。政府が余計なことをすればそれが歪められてしまいます。雇用対策など百害あって一利なし。将来の需要を先食いするだけ。絶対にやってはならないのです。

全てはマンデル教授の想定通りです! *2
 
 
 
 
 
 
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      ロバート・アレクサンダー・マンデル(1932~)
 
 
 
とにかく、長期的に必ず効用は最大化される、ということです。
 

まとめ

「長期的に我々は全て死んでいる!」ってケインズ先生が言ってました!
 
(多分次回に続きます)

 


※ 関連記事。併せてご覧頂ければ、より理解が深まります。サプライサイド経済学とは何だろうか - 強靱化のすすめ


※続きを書きましたfnoithunder.hatenablog.com

 
※)はてなキーワードにある新古典派経済学の説明は簡潔で秀逸だと思いました。ので是非見てみて下さい。新古典派経済学

*1:ポンジースキームとは、最近の日本に準えるなら、安愚楽牧場経済学、というような意味です

*2:本当にマンデル先生の計画通りらしいです。って三橋貴明先生が言ってました!