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「正義」とは何だろうか

コモンセンス

「正しさ」とか「正義」とか「ネット世論」とか。最近シロクマ先生を始め、色々言及されてた件。

もはや沈静化した感じ?しまった遅すぎてマウントポジションはもう取れないか。


「正義」を振りかざし、「正義」の名の下に誰ぞをぶっ叩き放題。それは正当なことなのか。そこに「正しさ」はあるのか。「正義」とは、「正しさ」とは何だろうか。いつからこんなことになったのだろうか。現代に出現したネット社会が、ネット世論がそうさせるのだろうか。


否。


「賢者は歴史から学ぶが、愚者は経験からしか学ばない」
とは、ドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉。
歴史を鑑みればわかる。これは遙か昔からあったことだ。


 例えば2008年の麻生政権、全く評価されていない気がするけど。麻生総理と中川財務大臣の手腕は見事だった。100年に一度とまで言われたリーマンショックの直後。日本の被害を最小限にとどめて立て直すための財政政策、日本が世界に出来ることとして、外貨準備金(米国債)を担保にしたIMFへの融資など。世界的に彼らの評価は高かった。

 しかしこの功績は全く報道されず、中川氏は「酩酊大臣」と袋叩き、麻生氏は「漢字が読めない」とフルボッコ。中川氏は2009年に死にましたね。彼らもまた、正義の名の下に、叩かれ放題叩かれた。死ぬまで叩かれた。

 借金まみれの日本が外国にカネ貸すとかアホウ、みたいなバカバカしいこと言ってるのもいたけど、マクロ金融政策って家計とは全然違うのに。どんだけアホウなんだ。むしろIMFからの金利収入ができて、日本の国家予算の足しになるのに。日本の経常収支が改善するのに。IMFなら踏み倒されるリスクもほぼ皆無だし。一石二鳥三鳥四鳥の施策だったのに。


マスコミに正義はあったのか。民主党に、鳩山総理に正義はあったのか。民衆に、大衆に正義はあったのか。


否。「大衆」に「正義」などあるものか。

あるのは「怨念」だけだ。「怨念」こそが正義なのだ。


 朝日新聞が戦後日本の「正義」の代表。「正義」の名の下にやりたい放題。「正義」であれば何でもあり。「日本国」成立60年あまり、それはエスカレートする一方。「正義の粛清」なんて左翼のお家芸かと思いきや、マスコミやネットではそんなのはありふれた話。でもやってる本人はそう思っていない。何度も繰り返されてきたこと。


それを目の当たりにすれば、気持ち悪くなるのもわかるけれど。それは恐ろしいもの。おぞましいもの。そしてありふれたもの。

実にありふれたもの。こんな話は枚挙にいとまがない。はてなだって3ヶ月おきくらいに村祭りやってる。


歴史は繰り返す。
歴史を紐解いてみれば何度もあるような話。
「大衆社会」のごくありふれた出来事。

正義の名を騙る、大衆ルサンチマンスケープゴート。次の獲物は一体誰か。

いったい何週目だよ。


いったいいつから大衆の「怨念」は「正義」に名を変えたのか。

そりゃフランス革命だよ。


 見せしめに王族を処刑し、貴族を処刑し、教会を略奪し、僧侶を処刑し、裏切り者を処刑し、政敵を処刑し、金持ちを処刑し。ヨーロッパ全土を巻き込む大戦争に発展し。こんな馬鹿げたことはもうコリゴリだ。もう二度と繰り返すまい、そう誓ったはずなのに。いつの間にやら「人類の最も崇高なる出来事」とされる。

 かくして権力は王族、貴族からブルジョアへと移る。そして国民国家の発達により国民へと移っていく。全てのエネルギーの根源は怨念。なんだあいつらは!ズルしやがって!生まれつき土地持ってるとかカネ持ってるとかずるい!貴族がけしからん!政治家がけしからん!世襲がけしからん!公務員がけしからん!土建屋がけしからん!ズルしてるに決まってる!許せない!不平等だ!制裁が下されるべきだ! 改革だ!革命だ!それが正義だ!
正義とは怨念だ。ルサンチマンこそが正義なのだ。その負のエネルギーが権力となる。


 そうして「大衆」は「権力」を手にした。そして権力者が横暴な振る舞いをするのはいつの時代だって変わらない。歴史上、最も強大な権力を握り、振りかざしまくっているのが現代の「大衆」である。


 その権力はあまりにも強大である。世界は怨念に満ち、正義に満たされる。世界規模で殺戮が繰り返される。大日本帝国ルーズベルトナチスドイツもポルポトスターリン毛沢東も。みな自分こそが「正義」なのだ。「怨念」なのだ。地球破滅の規模までその正義は膨らむ。自ら全てを破滅させるまでに。敵を処刑することではらされるべき正義の怨念は行き場を失い、ネットの海を彷徨う。



歴史は繰り返す。

小泉も鳩山も橋下も同じ事だ。



ドイツの哲学者、ヘーゲルの言葉。

「歴史を学んで分かることとは、人は歴史からは何も学ばない、ということだ」



 一体何百週目なんだ。いつになったらまどかを助けられるんだ。この話はアーレントが書いてる。オルテガが書いてる。トクヴィルもバークも書いてる。十七条憲法にだって書いてある。きっと古事記にだって書いてある。プラトンの哲学書にだって書いてある。こんなことは2500年も前から分かってたことなのだ。絶望的な世界で、それでも賢者達は何度も何度も、諦めることなく説き続ける。


「正しいこと」を言うとは、そういうことだ。
そんな人を、私は尊敬する。

そういうものに、私はなりたい。