正義を振りかざしてやる

リンク張るのもはばかられるんだけど一応元ネタ。


はてなブックマーク - 罪を犯した人間をどこまで許すべきか - 続・はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記


 hagex氏殺害事件のいきさつを一通り分かっているはてなユーザーが読むと不快になりやすい。「私の妄想だ」と断りつつ、的外れな、あまりに的外れな妄想でhagex氏を上げたり下げたりしている。全く事実に反する、単なる自分の妄想をベースにhagexは賢くない、hagexは立派だ、など言っていて、ここがヒドすぎ。全てを台無しにしている。hagexないしhagex的なものが嫌いなんだから、そう正直に言えばいいのに。っていうか、事実上、言ってるんだけどね。hagexさんが正義を振りかざす系の人なんだから。

 ここの無神経でナンセンスなくだりを見てしまうとね。全体としてはなんだか立派なことが書いてあるようにも見えるが、根底にあるのは正義ヅラした「はてなー」どもに対する嫌悪であって、それを糊塗するために、立派な雰囲気を醸し出して飾り立てているんだろう、みたいに思えてしまった。自己正当化のための自己暗示。

 よくもこんな駄文を書ける。理論も穴だらけスキだらけ、反射的に反論文を2000字くらい、あっという間に書いてしまった。が投稿はやっぱりやめた。論破は簡単だがそこに何の価値も見いだせないことに気付いた。
 
 わざわざ自分から、よく知らない人の話を、好き好んで勝手に読んで、腹立てて。怒りにまかせて書いたものを他人にぶつけたりしていると、怨嗟がスパイラルになって、積もり積もって殺人事件が起こるだとか、放火だとか自殺だとかにつながるとか。そういうことをブロガーもブックマーカーも意識した方がいいんだろう。それがkyoumoeさんの遺言であった。

 それに、そういや前々回に私は「なぜ私たちは、殺人犯に寄り添うべきではないのか」については充分に書いていたんだし。なので今は、記事内容への具体的ツッコミはやめて、「これを論じる価値がない」ということについて、メタ視点から根本の問題を論じるだけにしておく。


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 川上さんは「はてな民はクソ」というデフォルト値、バイアスが強すぎ、なのはまあ別にいいんだけれど。さらに、「hagex = はてな的なものの象徴」という認識があるように見受けられた。

その自覚があった上で、自分が正しくて、はてなの奴らはクソだらけ、という自己絶対化の傾向が見られる。これでは普遍化・一般化の議論はとうてい不可能、であることに無自覚。よって文章は多分にご都合主義。自己暗示、自己絶対化、自己顕示、自己弁護、自己欺瞞なんぞがふんだんにちりばめられているので、そこを見透かしてしまう多くのはてな系の読者にとっては、なんとも不快な文章になっている、ので叩かれやすいんだよな。

 私が特に欺瞞を感じたのは「結愛さん」のくだりで、他の二件は犯罪者に寄り添っているのに、なんでここは殺人犯が出てこない?被害者が子供だから?健気だから?ここだって結愛さんを殺した憎むべき「殺人犯」に寄り添うのがスジだろう。そうすれば説得力は増しただろう、というか、そこに思い至らないから説得力がない。
 犯人も死人も自分の妄想で都合よく利用しているだけ。hagexさんの事件だってロクに調べてない。知らないで書いてる。他の事件もロクに知らない上に調べてないから、結愛さんを殺した犯人について何も書けないんだろう。こういう人、大嫌い。

 だって、犯罪者予備軍的な輩の心理を知って、そういうヤツを早めに察知して同情なり指導なり教育なりするんだろ?って言いたいわけでもないのかな。たまたまそういう方向に論調が行っただけか。そういうヤツらにぼくのかんがえた普遍的「正義を振りかざし」て寄り添い指導し矯正し、犯罪を未然に防ぐのではないのか。


 自身の「正義を振りかざし」て「はてなの奴ら」を殴りにいってる、そして犯罪予備群の輩には、川上さんの考える普遍的な「正義を振りかざし」て、責任を持って指導矯正する、のか。「正義を振りかざし」ていいのは、寄り添う覚悟のあるヤツだけ。そして、そんなヤツ大きなお世話、という。「自己正義のトリレンマ」か。字面だけでは何を言いたいのか分からん。肝心なところから目を背けているのが厄介。


 じゃあ例えば前回に挙げたようなケースで、川上さんが私の立場だったらどうするのだろう。言葉尻の断片をとらえただけの罵倒や煽りを受けた場合。「低脳はてなー乙www」って煽るのか、無視するのか。或いは「罵倒や煽りしか書かない、って行動は低脳先生*1に通ずるものがある。過去の悲しいできごとが原因にあるのかもしれない。放っておくと3年後には低脳先生化してしまうかもしれない。食い止めなければ」ってことで、寄り添い指導し矯正するのだろうか。少なくとも、実行はともかくそのような考えに至らねばツジツマが合わない。

 そして川上さんのところについたブックマークには、そんなヤツらもたくさんいただろう。彼らに寄り添う気はあるだろうか。憎まずにいられるのだろうか。私のような犯罪予備群のクソはてな野郎に、寄り添うことは出来るだろうか。なんて考えると、川上さんが、いかにナンセンスなお花畑的理論を展開しているか、に気付くはずだ。まあ、これもきっと彼が言いたい本質ではないので、どうでもいいことなんだが。


 この「正義を振りかざす」ってのもふわっとした、分かるようで分からん言葉なんだが、これも便利で安易なレッテル貼り、かつ、いわゆる詭弁術「ポイズン・ウェル」のバリエーション。川上さんにたいして「あんたの言ってることはおかしい!」と反論しても、全てを「アンタはアンタの正義を振りかざしてるだけ、人に迷惑かけるなよw」で終わり。聞く耳持たない。自己絶対化。無敵状態。嗚呼危険。


※ポイズンウェルとは?
詭弁打破のガイドライン


いやしかし、いったいなぜ私はこんなことを書いているのだろう。
誰に向けて、何を書いているのだ?怨嗟スパイラルはどこへ向かう。
 
 

*1:低脳ではなく低能が正しいですが、川上さんの原文に合わせました