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ケインズは死んだ

保守思想

 お久しぶりです。今年に入ってから「世代論」みたいの始めたり、リフレ理論の総括を始めたり、色々と大風呂敷を広げているのですが、イマイチ話がまとまらず、自縄自縛な感じ。某社会派 ブロッカー ブロガーを擁護するのも面倒になってきた。ので、少々脱線します。いずれは戻ります。多分。

 でもまあ、間接的には関係ある話。最近読んでいる本の話。
 

 
 まだ途中です。読み終わってから書いた方がいいのですが。はてなで皆さんのブログなど読んでいたら、なんか先行きに危うさを感じたりして。保守派の若手老人として、老人らしいこと、とりあえず書けることを書いておこうと思いました。

以前に紹介した本「アダム・スミスの誤算」の続編、下巻です。



アダム・スミスの誤算 - 強靱化のすすめ


 15年前の本(の再販)。タイトルの「ケインズの予言」ってのが冒頭から出てきて、これとても気になったので、全てを読む前に書いておきます。予言を一部抜粋。

西欧はもう十分に豊かになっているのである。三〇年代の欠乏はあくまで一時的なものであり、いわば見かけのものである。われわれは真の意味で絶望的な貧困、つまり物質や食料の絶対的不足の時代にいるのではないのだ。物質をありあまるぐらいに生産できるだけの能力も資源も手にしているのだ。それにもかかわらずわれわれは数年にわたって続く大量失業という貧困を経験している。貧困はまさに豊かさの中で生じている。何か歯車が狂っているのだ。メカニズムが失調しているのである。

(P30~31)

 これは1930年代、「世界大恐慌」の話です。当時なりの水準で、もう世界は十分に豊かなのだ、という認識だったのですね。人類は100年前からこの問題に直面し続け、今なお解決されていない、豊かさの中での貧困。大恐慌、大失業、そして世界大戦。いったいなんなのだろうか。


 ありあまる資源、生産能力のおかげで、現代の人口はこの当時の5倍にもなっている。つまり世界はケインズの認識通り、ということだ。しかしそれを実感することが出来ない。日本では特に若い世代や地方の人々。
それでも日本は世界的に見ればかなりマシだ。ヨーロッパはもっと酷い。PIIGSなんて言われている国々の失業率は20%、若年層は更に倍だという。

 だから、この失調さえ直すことができれば、長期的にはわれわれは経済問題など二義的なものとなるような豊かな時代を迎えることができるはずだ。そしてそのときには、むしろ、経済問題から解放されたこと、そのものが生み出す問題、つまり「退屈」こそが最大の課題となるであろう。

(P31)

 豊かさ故、既に二義的な問題になっているはずの経済。しかし、なぜかその経済再生が二一世紀最大の政治課題。それも世界中。「改革」とは一体何なのか。何百人分もの食料を生産する米農家が苦しくてやっていけない、のは一体なぜなのだろうか。普通に考えればそんなこと絶対にあり得ないはずなのに。ケインズの言う「見かけ上の問題に過ぎない失調」は現代においても、ちっとも解決されていないのだ。


 近代に発生しているのはケインズの言う「退屈」の問題なのだろうか。人類は退屈だから世界大戦を起こしたのだろうか。二義的な、見かけ上の問題に過ぎないことに、必死に取り組み続ける人類。しかし出口は見つからない。
 
 この問題を人類が正しい方向で解消できたなら、新自由主義社会だって共産主義社会だって評価経済社会だってベーシックインカムだってなんだって、カンタンに成立するはずなのだ。


 経済は二義的な問題などではない。死活問題だ。地に足を付けて地道にやるしかない。

 そんなふうに説く人ははてなブログにも多い。そういう人は、例えば岡田斗司夫氏の論説を、評価経済社会(笑)みたいに書いている。こういうの、苦々しく思っている人もいることだろう。前近代的な発想に思えるかもしれない。しかし個人水準、ミクロ経済とは未だ全くこの通りなのだ。そして現代経済学ではミクロの拡大がマクロである。


 より強力な、より多くの資本を持つ者ほど強い。それが資本主義社会である。ピケティの分析どおりだ。それ以外になにもない。あなたの持つ資本とは、金か、土地か、親の遺産か。体か、頭脳か、才能か、若さか。プライベートの切り売りか。


 資本主義が続く限り、人類はこの「見かけ上の問題」を解決することが出来ない。既に100年間も解決できていない。当面は見込みが無い。果たして糸口は掴めているのだろうか。本当に世界大戦という「グレートリセット解決」は模索されていないのだろうか。

資本主義社会はいつ死ぬのだろうか。


保守主義者は理性万能主義を信頼しない。のはなぜなのか、
多少なりともお分かりいただけただろうか。


ケインズは死んだ。

アダム・スミスは死んだ。

フリードマンも死んだ。


読み終わったら続きを書く、かなあ。