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フランス革命の省察

歴史 保守思想

 「自称保守」歴二十年、ふのい倉津浦でございます。今読んでいる本がこちら。

新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき

新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき


 自称保守のくせに、二十年もバーク読んでいなかったのかよ!なんてツッコミはさておき。「無双!中野学校」の校長兼保守見習い、の中野剛志先生から教わっていたということで勘弁して下さい。それにきっと、日本の自称保守の99%はエドマンド・バークの名前すら知らないことでしょう。

フランス革命省察

 1789年7月に始まった「自由・平等・博愛」のフランス革命。私、確か中高生のころ、「人類史上で最も素晴らしい出来事」という具合に習ったように記憶していますが。バーク氏からすると、人類史上最悪のおぞましい出来事のようです。ボロクソのクソミソです。掲げた理念の素晴らしさ、というのは誰もが認めるところで、それは私にも理解できます。でもそれ、本当に実行できるの?というのは、また別の話。
 
 理念が崇高であればあるほど、現実とはかけ離れたものとなる。ゆえにその理想は実現不可能。そんなもの、所詮は「絵に描いたプリン」に過ぎない。崇高かつ実現不可能な理想は、偽善と欺瞞に満ちたものとなるのが必然。そうやってデタラメばかりがまかり通るようになっていく。崇高であるがゆえ、手段を選ぶ必要がなくなる。崇高な理念を実現する為なのだから、なんでもありなのだ。そしてその実、何も実現できない。当然の帰結。そしていずれ、取り返しのつかない事態へと至ってゆく。
  
 この本、原著が出版されたのは、革命の熱気冷めやらぬ、革命勃発から一年余り後の1790年11月。この段階では、国王ルイ十六世も王妃マリー・アントワネットも健在でした。にもかかわらず、この革命はどうしようもない混乱に陥り、最後は軍事独裁に終わるだろう、と予言されています。バークさんマジパネェっす。

フランス革命の現実

 マクシミリアン・ロベスピエール率いるジャコバン派によるテロリズム、独裁、恐怖政治、粛清に次ぐ粛清。血みどろの内ゲバに次ぐ内ゲバ。そして革命勃発から十年後の1799年11月、ナポレオンによる政権奪取によりフランス革命は終結。その後は軍事独裁、そして15年にも及ぶ、ヨーロッパ全域を巻き込んでの戦争に次ぐ戦争。
 う~ん……なんでフランス革命って絶賛されているのでしょう?全く良いとこ無し、バーク先生の仰るとおりで(当時に於いては)人類史上最悪のおぞましき出来事、で合っているように思えます。

 Wikipedia先生によれば、ロベスピエール氏が史上初のテロリスト。フランス革命後のジャコバン派による恐怖政治が「テロ」の語源になったとか。当時の「国民議会」の左側に陣取ったのがジャコバン派で、左翼の語源になっています。ロベスピエール氏は多くの同胞を粛清したあげく、革命勃発から五年後の1794年7月、保守反動勢力のクーデターにより、ご自身もまた粛清されてしまいました。

政権交代

 これ、政権交代で大いなる希望に沸いた2009年の日本とそっくりな感じです。大いなる理想を掲げて達成された政権交代。その「大いなる理想」を、じゃあどうやって具現化するの?というのがさっぱりわからない。ので、政権交代した瞬間にもう全てが終わっているという。んで、半年も経たずに崩壊、内ゲバに次ぐ内ゲバと。
 
 
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国民の生活が第一® 民主党 All rights reserved. 2009
 
 こんなものうまくいく訳がない、と思わない大人がたくさんいた、というのは結構凄いことだと思いましたよ。当時の私は、バークもトクヴィルオルテガアーレントも適菜収も中野剛志も知りませんでしたが。こんなのうまくいく訳ないじゃない。滅茶苦茶になるぞと思いましたよ。……でもまあ、流血沙汰になっていないところが、ある意味日本の凄いところ。いやしかし、鳩山氏、小沢氏、西松建設などの関係者では、結構な数の死人が出てたようですけど。……こんな話はするとヤバイのか? やだなあ、冗談ですってば。
 
 現代日本の政治の混乱は、もう終わったのでしょうか。それともまだまだ?今の安倍政権は「保守反動」のように見ている人も多いようですね。安倍政権は「王政復古」か、それとも「ナポレオン」か。

 私は、安倍政権が「保守反動」であるとは全く考えません。ここまでの私の書き方だと、小沢一郎氏がロベスピエール氏のような位置づけになっていますけど。しかしこれ、実は全く違います。小沢さんではない。じゃあ「平成日本のロべスピエール」とはいったい誰なのよ!?

平成のロベスピエール

 そりゃああんた、言わずと知れた小泉純一郎氏に決まっているじゃあないですか!自民党をぶっ壊す!抵抗勢力は許さない!ということで粛清されたのは綿貫氏、亀井氏、平沼氏など多数。命までは取られていませんけど。かなりしっちゃかめっちゃかに。凄まじい勢いで地方は疲弊していきましたね。「急進改革」「同胞粛清」ということでは、まさに小泉政権は「平成日本のジャコバン派」と言えましょう。
 
 これはいくら何でも酷すぎる、急進改革にも程がある、絶対に自民を止めろ!というつもりで「政権交代」を支持した人ってのも、実は結構いるようで。これはある意味「保守反動」です。私、この時の「朝日新聞」は絶対に「保守反動勢力」だと思いましたよ。「何が何でも改革を止めろ!」っていう。一切そんなことは言いませんでしたがね。「保守反動」なんてカッコ悪くて言えない……から、嘘で塗り固められた「政権交代」に走った。
 
   そう、純粋に「日本の将来のために改革を止めたい」ということなら、麻生-中川ラインは当時の選択肢としてはベストだったんですがね。あの時点では。   
 
 当時、小泉政権から更に改革を進めようとした安倍政権には「いい加減にしろ!」と言い、全く逆に、これ以上の改革はマズイ、という麻生政権には……コイツらは改革をする気がない!古い自民の権化だ!とか言って、どちらもぶっ潰してしまいましたね。本心では改革などイヤでイヤで堪らなかったのにね。結局あんたらのやったことは、小泉さんと同じなんだよ。

保守とは何だろうか

 さてさてさて。困ったことになってきました。急進改革政党である自民党は、まさにジャコバン派の如きだ、と言ってしまいました。自民党ジャコバンなら、極左政党ってことに。当時の「フランス国民議会」の定義にのっとれば、確かに自民は「極左政党」としか言いようがない。自称「保守政党」なのに。極左と言えば共産党じゃなかったのか……?
 
 自称保守が極左なら、私ふのい倉津浦も「共産主義者」になってしまいますね。困ったことになりました。

(そのうち、続きをやります)