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現実主義と理想主義と

保守思想

 中野師匠[要出典?]の新刊が発売!

世界を戦争に導くグローバリズム (集英社新書)

世界を戦争に導くグローバリズム (集英社新書)

おおう!特設サイトまで!

紀伊国屋

 ただ最近は諸事情あって「積ん読」が増えつつあるので、読むのは少し先になってしまいそうな気がする……内容は、私が六月に本ブログでやっていた「無双!中野学校」宿題シリーズでやった辺りのお話が中心のようです。ところでこの特設サイトの一番下あたり、「構造改革」っぽい文言が。
 

刊行記念ブック・フェア
中野剛志氏が選書! 「覇権戦争とグローバリズム」を理解するための40冊
9月17日(水)~10月16日(木) 紀伊国屋書店新宿本店・3階経済書コーナー 
9月17日(水)~10月19日(日) 紀伊国屋書店新宿南店・3階SUPERワクワク棚

 
「SUPERワクワク棚」て。
 
 「世界を戦争に導くグローバリズム」ってタイトル、どう思います?世間一般では逆な感じですよね。「危険なナショナリズム」が戦争の根源、それを乗り越えるための「グローバリズム」みたいな。
 ただやはり、逆に考えてみるのも一興。第一次世界大戦では特に顕著なようですが、「グローバリズム」による祖国の解体や故郷の疲弊をなんとかしたい、というところから「ナショナリズム」の台頭が起こっています。グローバリズムに対抗する為のナショナリズム。現代の欧州も同じことで、徹底したグローバリズムで国境を無くしていったらどうなったか。結局は国家主権を失った挙げ句「ドイツ第四帝国」によるユーロ全域の圧政。
 表面的な現象や、最後に出てきた事象だけを見て「ナショナリズム」だけを危険視するのは「原因」と「結果」の取り違え。本末転倒でしょう。行き過ぎたグローバリズムナショナリズムを呼び起こしているのではないのか、という視点は重要と思います。

Dancing Writerは

この本、佐藤健志さんのブログでも取り上げられています。

世界を戦争に導くグローバリズム | 佐藤健志 official site ”Dancing Writer”
 
複数回に渡って紹介されていますので、是非見てみて下さい。佐藤さんのところでは「理想主義」と「現実主義」について書かれています。う~ん、最近私、理想論とか現状論とか、安易に言葉を使っていたかなあ、なんて気がしてきました。もっとよく考えて使おう、と反省。

John J. Mearsheimer は

この「理想主義」の話、私が巡回している他のサイトでも話題になっていました。こちらは柴山桂太さん。ミアシャイマー氏の論文から、理想主義の失敗を解説。
 

【柴山桂太】理想主義の失敗 | 三橋貴明の「新」日本経済新聞

 
そして、はてなブログからも。暁さんの「リアリズムと防衛ブログ」
 

 
 同じくミアシャイマー氏の論文からの記事。実はこちらのブログ、6年も前から巡回させて頂いております。更新が途絶えていた時期もあったのですが、最近また更新されていることに気付きまして大歓喜!なので購読登録したのはつい先日なのですが……「リア防」さんに憧れて、とは言い過ぎですけど(笑)、私が「はてなブログ」を選んだのは、こちらのブログがはてなだったから、というのは本当です。
 
で、ですね、ここの「はてなブックマーク」コメントで、こういうのがありました。これ、どうよ?

リアリズムを掲げる者は常に正しい。現状を追認するだけだから。プーチンウクライナから退けられていたら,それはそれで上手に説明するだろう。これからの世界を作りあげる思想こそが本当の価値を持つ。

 
 「現状追認」がリアリズム……確かにそういう人もいるようですが、それは本物のリアリズムではないと思うなあ。リアリズムを誤解している人を批判しているというか。単なる「現状追認」はニヒリズムでしょう。それに「世界を作りあげる思想」ってのもなんか抽象的です。まあブコメは100文字しか書けないから仕方ないか。しかしこの記事に対して、これが人気No,1コメントなのか……
 
 記事の趣旨からすれば真逆です。乱暴な言い方になりますが「これからの世界を作りあげる思想」なんて、どうせロクでもないことになるからヤメロ!というのがエドマンド・バークの教え。それがリアリズムの本質です。そういうのは起業家として、或いは芸術家として、という具合に個人がやるのはいいでしょう。でも国家として取り組むのはダメ。むしろそういう「思想」がおかしな方向に行かないよう、規制やルールを考えるのが国家の仕事です。放置すればそれこそ逆襲のシャアになってしまいます。アムロのような「大衆からの反逆」が伝統的なリアリズム。あああ、この書き方だと過去記事読んでない人から誤解される……
 
 ただこの手の話で、なんか違うなあと思うのが「ハイエク」イコール「バーク」で現実主義。ケインズは「理想主義」みたいに見ている人もいるようで。これ、逆だと思います。ハイエクの話、やるやると言って延び延びになっていますが。そのうちやります……多分……バークもそのうち……やらないと説得力無いですよね。んで、前回の続きもちゃんとやらないと中途半端だし……

防衛大学校

 同じくはてなブログから、はてな最注目の若手ブロガー、しっきーさん。
 

 
 本の感想と書評なので、上の五者とは趣旨がちょっと違います。しっきーさんはよく書評記事を書かれていて、参考にさせて頂いております。で、こちらは「防衛大学校」で学んだ人の本の紹介。
 確かに日本の国防は日米同盟に頼るしかないのが現実主義的な落としどころ、というのは結構多くの人が思っていることなのではないでしょうか。これは私もそれはその通りというか、現状では致し方ないか、とは思うのです。というかこれ当たり前過ぎて、全く考えていない人ってのも相当多いような。それが日本の現状なのですよね。でもじゃあ、果たして本当にこれは「現実主義」と言えるのか、という話をしてみます。
 
 ただ私、この本は読んでないし、私が以下に記すようなことだって言及されているかもしれません。検討はされているでしょう。その辺は誤解無きよう。あくまで、「アメリカに守ってもらうことに何の疑問も感じていないであろう、相当数の日本人」、或いは「アメリカとの一体化こそが国防のリアリズムだ」という自称「現実主義者」に対するアンチテーゼ、の話です。
 
 これ、ミアシャイマー氏に言わせれば全く「現実主義」ではありませんね。実は典型的な「理想主義」です。
面白いのが、って面白がったら不謹慎ですけど。日本て、実はアメリカにとってのウクライナグルジアと大して変わらない。日本はうまくいった、というだけ。実際アメリカはイラクでも日本と全く同じことをやろうとしたし、出来るつもりでいた。でも全くダメだった。完全失敗例がイラク。或いはベトナム。そして次なる失敗がウクライナ。成功例が日本。或いはフィリピン。それだけです。
 日本はアメリカが占領し、ソビエトも中国も完全に退けたし、逆らう日本国民も大していなかった。あり得ないほどの一億総転向、当時の「日本」としては確かに超絶「現実主義」的選択にも見える。目立った反逆者はそれこそ三島由起夫氏くらいのもので。三島氏が言うように、アメリカに占領され「日本」は失われてしまったのではないのか、ということから完全に目を背けてしまって。だから大して問題も表面化しなかった。
 アメリカの理想を押しつけられてそのまんま。憲法まで変えられた。アメリカの「理想主義」の最先端にいるのが日本。宗主国アメリカの「理想主義」に従属し、付き従い続けるのは果たして「現実主義」と言えるのでしょうか?
 
これはアメリカ流理想主義による制圧の「現状追認」であって「現実主義」ではない。というのは「無双!中野学校」で教わった話でした。
 
 日本にとって抑止力の部分だけ見れば、確かに他に手はないし、「現実的な選択」ではありますが、非常に短期的な話。グルジアウクライナ同様、アメリカが理想を引っ込めれば即刻崩壊する程度の抑止力、なのが問題。アメリカの「東アジア覇権」維持はもう困難。日本との関係を弱めて中国メインで仲良くした方がアメリカにとっては現実的、という判断も充分あり得る状況になっているし、だいたい日本を維持管理する意味がもう大してない。沖縄の基地など南部貧困者や前科者救済の公共事業、くらいの意味しか無いかも知れません。
 
但し、アメリカにとって「尖閣有事」は非常に困る。アメリカのディレンマは以下。
① 辺境同盟国の辺境無人島防衛ごときには、絶対に軍を出せない。国民世論が許さない。
② でも、なにもしないと米国との同盟など無意味、と世界中に思われてしまう。アメリカの衰退、頼りなさ、やる気のなさがバレバレになってしまう。

 よって現状では中国に非常に強くプレッシャーを掛けつつ、同時に日本にも強く「釘を刺し」ています。オバマ的には「俺が任期の間は両者ともなにもしてくれるな」といったところか。それがアメリカの「現状」です。この現状の成り行きを眺めて、後になって「ああやっぱりね」としたり顔で結果解説したならば確かにそれは「現状追認」ですが、断じて「現実主義」ではない。ということだけは言っておきましょう。
 
 中国は、アメリカの現状を理解しているし、うまく付き合いたいと考えている。欲しいのは東アジアの覇権。かつてのソビエト連邦みたいに、露骨に全面対立する気は無い。アメリカが東アジア覇権を諦めやすいようなやり方をしてくるでしょう。既に南シナ海では相当もめています。米軍は裏から支援はしているようですが、表には出てはいませんね。出せないのです。そういうことです。多少は強引にやっても大丈夫。どうすればいいのか中国は解っていますよ。