告白

あれは去年の夏だった。いつもの通りに暑く、セミの声がうるさくて。古い列車のディーゼルエンジンの音。線路の軋む音。 あの日、この場所で、思いがけずあの人に会った。尤も、思いがけなかったのは私の方だけで。あの人は私に会うためにここへ来たのだと言った。 そう言われて私の胸は否応なく早鐘の如く鳴り響いた。告…