今後の相場予想とGPIFについて

 前回GPIF批判をしましたが、実は少々ためらいがありました。これを読んだ直後だったので。


tyoshiki.hatenadiary.com


 含み損が出た、という部分だけの安易な批判は良くない、というお話。確かにそうだなと思って慎重に書いていたら、記事が長くなって焦点がぼやけた感じになってしまって。結局やっぱりかなり端折りました。今回はその辺の補足。
 
(前回未読の方はこちら)
fnoithunder.hatenablog.com


 投資については人それぞれ、いろいろな考え方、やり方や好みがあると思うので……なんて言い方は逃げ口上かな。とりあえず私は10年以上もやっておりますので、いつも偉そうな感じですみませんが、私なりの考え方、やり方を簡単に書きましょう。

株式投資について

fnoithunder.hatenablog.com


 上の記事に書いたとおりで、

①パッシブ投資は比較的安全
②アクティブ投資はハイリスク
③そもそもアクティブ運用なんて長期では意味ない

 というのは投資入門ではよく出てくる話です。確かにそれはそうなんですが、表面的な話に過ぎないと思っています。じゃあなぜ一般的によくそう言われるのか、を知っておけば、アクティブファンドだって活用の仕方が分かる。アクティブファンド自体は、一年以下のスパンで見ればものすごい好成績を出すものも多数あります。要はタイミング。ユーザー側の使いよう。パッシブだろうがアクティブだろうが、結局はファンドマネージャーよりユーザー側の問題かな。どちらかが優れている、なんてものではない。適材適所で。


 私は試行錯誤の結果、現在はノーロード日本株インデックスファンドと225先物スイングトレードがメイン。でも2016年は株ファンドはいっさい買っていませんね。ほとんど225先物ショート。あと最近、金(きん)先物ロング始めました。レバレッジ20倍なので10オンス7万円くらい。2~3年のつもりで「上がりきった」と思ったら全売り、国内株ファンドの長期に切り替えだあ。証券口座もってて余剰資金ある人は金関連商品について調査してみるのがマジお勧め。買えそうなら自己責任でよろしくね。

国債のマイナス金利について

 国債と日銀当座預金のマイナス金利については、いわば行政サイドの介入操作によるものなので、民間サイドからすればどちらも迷惑かつバカバカしい話で、あまり重要ではないと思っています。黒田岩田がやめるなり挫折なりすれば終わりです。まあ、岩田さんはもう挫折しましたかね。

 国債がマイナス金利ってのは要するに国債価格が上がっている、ということです。上がっている理由は株と同じ。日銀が買うことをみんなが知ってるから。


(関連記事:馬鹿馬鹿しいという思いが文面に出てしまっていて不愉快になるかもしれませんので、無理に読まなくても大丈夫です)
『日銀当座預金』がマイナス金利 - 強靱化のすすめ
『国債がマイナス金利』の馬鹿馬鹿しさ - 強靱化のすすめ

GPIF問題

 まずは各個人投資家、そして民間銀行、証券会社、ファンドマネージャー、GPIFとかがうまいタイミングで、うまいこと適材適所でやってくれればいい。

 うまいタイミングでうまいことやればいい。何でもそうです。これは投資に限った話ではありません。政策も同じ。例えば金融緩和VS引締め。増税VS減税。財政拡大VS緊縮。どちらかが絶対善でどちらかが絶対悪、なんてことはない。必要なものを適切なタイミングでやればいい。


GPIFも同じ。タイミングの問題。

www.nikkei.com


 要するに、これを「2014年末頃から2015年末にかけてやった」というのが最悪。為替が最安値、株価が最高値でやってる。なぜ、なぜ、ここでやる。これの動機がどうしても、緊縮財政と増税の影響で失速し、マイナス成長へと転落した2014年度アベノミクスの「見た目」を少しでも取り繕うために、GPIFの「国内株式を増やして株高演出」「海外振り分けを増やして円安誘導」をやろうとしたんじゃあないのか、と勘ぐられても仕方がないタイミング。で、実際そうなんだろ?ええ??


 はてなでは見かけなかったけれど、2ちゃんねるツイッターでは「このタイミングでやるのはあまりにもバカすぎ」って意見は多かった。で、実際にこの比率振替えが概ね完了する2015年の秋以降、とたんに日経平均が20700→18000に落ちる。なんかヘッジファンドの連中に見透かされてんだよなあ。うわあバカだマフィアどもの思うツボだ、ホレ見たことか。とか言われても仕方ないんじゃないのか。これはもちろんGPIF自体ではなく、あのタイミングで決断した政治家や政策担当者がバカだという話。この件について浜田師匠は、事前に明確な反対はしないまでも、警告はしてたと思う。


 動機やタイミングのまずさについて、決断した政治家のセンスは叩かれてしかるべきと思います。安倍さん塩崎さんは「ホレ見ろ下がった!」で叩いていいと思う。

 しかし厄介なのが、これの最大の問題は前回のとおりで。GPIFで叩かれやすいのは政治家本人らも分かっているし、後ろめたさを感じている。まあ安倍さんは経済など分かっていないし、そもそも細かいことなど分かっている必要もないんだけれど。でも本人が気にするからねえ。株価を。だから前回書いたような悪循環スパイラルに嵌っていく。全員が共犯関係になってるからドツボに嵌って抜け出せない。そういう問題。



 「そんなのお前の憶測に過ぎない」と言われてしまえば、確かに裏などは取れてはいませんが。足掛け3年続けてきたこのての話、全てツジツマ合ってるし一貫性あるでしょ?なんて判断は読者の皆様に委ねますね。



 こういうの書くのはリスクあるんですが、あえて書いちゃいましょう。

「2015~2018で、GPIFは20~30兆くらいの含み損を出すと思う」

 日経平均は1万割れする、みたいなことを前にどこかで書いた気がするのですが、これは怪しくなってきた。為替に対して株価が妙に高い。7~10%くらい高いんじゃないか。日銀が10兆円も買っているせいと思う。この先もETF買い入れを続けて3年後は20兆とかなっていたら、下値は10~20%くらい上がるね。10000~11500あたりが下限か。日銀次第。金は1オンス2000ドル……まではいかねえかな……


 とにかく日本市場は中央銀行が株も国債も買いまくっている異常市場なのでマトモじゃない。滅茶苦茶。ここまで操作しまくっているのは日本しかない。


というわけで皆さん3年後にこの記事を見返してみましょうね。