灰色のおっさん
呼ばれた気がした。
というのは冗談です。私はこの本はまだ読んでいないのですけど(スミマセン)。「億万長者」とはなんだろう。金持ちになるにはどうしたらいいんだろう。
私の知人によると「不労所得」で生きられる、というのが「金持ち」の定義だそうで、例えばイチロー選手は億を稼いでいても、自力で、自分を資本として稼いでいるうちは金持ちとは違うんだって。でもその金を元手にマンション経営とかで生計をたてるなら「金持ち」に分類される。カネでカネを稼ぐのが金持ち、みたいなこと言ってた。なるほど一理あるか。
私が思うには、ですが、ここで紹介されているAさんは投資家タイプ、Bさんは起業家タイプかな、と思いました。ちなみに私はどちらにもなれない労働者兼消費者。心情的にはやや投資家寄りかなあ。どのポジションが優位かは時勢によるらしい。まあ大概の場合は、特に昨今のような、デフレだけど人為的に資産インフレだけが起きている、なんてえと資産家だけが圧倒的優位。
近年では資本主義のフロンティアはなくなった、既に「死に体」だ、と言う人も増えてきている。とすると起業で稼ぐのは困難だ。あるのかも分からないブルーオーシャンを見つけられるのだろうか。
- 作者: 中野剛志
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
- 発売日: 2015/02/06
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- 作者: 水野和夫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/03/14
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水野さんの本は経済学初心者にも分かりやすく解説されていてMaji de オススメ。
もう一つ、先週読んだばかりの本をご紹介。童話です。ときまきさん(id:TokiMaki)がやたらに推してたので読んでみた。ドイツのミヒャエル・エンデ作。ネタバレしない程度にご紹介。
- 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/06/16
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ぐぬぬ、こんな反社会的な書物は許さん!失敬な!ケケ中某灰色産業競争力会議民間議員大先生から「焚書処分だ!」と総理指示が出ないか心配だ。見事に「一億総活躍社会」なるものの姿が描き出されているぞ。安倍首相大歓喜。
いったいいつごろ書かれた本だろう、と確認してしまった。1973年だった。40年以上も前か。まさに今現代を予見しているように思える。でも19世紀末のヨーロッパ、或いは1920年代のアメリカのようにも思える。或いは1970年頃にもこんなことがあったのかもしれない。
なるほどー。後書きも含めて非常によくできています。
1973年と言えば、第二次大戦以降から続いていたドルの固定相場制が完全に崩れた年。それまで世界経済を支えていた「ブレトンウッズ協定」が、なし崩しで崩壊していき「ワシントンコンセンサス」への移行が始まる。まさに作中に出てくるグレーのおっさん達が現実世界で暗躍を始めた時期である。そしてグレーのおっさん達は見事にリーマンショックを引き起こした訳だが。それともモモがトリガを引いたのだろうか。果たしてモモの運命やいかに。(あ、物語とリーマンショックは関係ないです)
小学校高学年~くらいを対象にした童話です。哲学ファンタジー?的な何か。プラトン哲学とかモチーフになってると思った。エドマンド・バークの教えに通ずるところもある。ここにも何度か書いているけど、現代経済学の目指すものは「資源配分の最適化」と「投資効率の最大化」です。それが個々人の幸せ、それが社会の幸せに繋がる。でもここ20年で、人の心は豊かになっただろうか。幸せになっただろうか。大いに疑問だ。逆方向へと進んではいないだろうか。しかし経済学は正しいのだ。間違っているのは人間の方なのだ。グレーのおっさんの思うつぼである。
これ、12歳の子供に意味が分かるのかな、いや子供の頃に読んで明確には理解できない部分があったとしても、いずれ自身の体験として身をもって理解していく、そのための手引き書ということだろうか。いやいや、単にそれは私の考え過ぎのような気もしてきた。そこまで考えなくても楽しめるか。
まあいずれにせよ、さすがは哲学の発達した国の作品、といったところか。
あくまで小学生に読めるような文体や表現、漢字で書かれています。でありながら、哲学的、抽象的なところもあって。大人が読むと、少々まだるっこしかったりする部分はあるかも。哲学にある程度興味がないと「??」って感じになるかも知れません。読み人次第かな。万人向けではないような気もする。
これ思い出した。洞窟の小話に通ずるものがあるかな。
- 作者: さかき漣,三橋貴明(企画・監修)
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