ドイツ第四帝国の野望
最近は佐伯啓思氏の本ばかり読んでいました。なかなかに難しく、非常に時間かかりました。同じところを何度も読み直したり、戻って再確認したり。ボチボチ紹介していこうと思っています。
で、それとは全く別、最近、気分転換?に読んだのがこれ。
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
- 作者: エマニュエル・トッド,堀茂樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/05/20
- メディア: 新書
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インタビューから起こしたもので、非常に分かりやすく、読みやすかったです。佐伯先生の本より100倍読みやすかった。(数値は適当なイメージです)
著者のエマニュエル・トッド氏はフランスの歴史家、人類学者。実はこの方、私が「保守主義」の師と仰ぐ中野剛志さんの師匠?とは違うか。中野さんはトッドさんの論説だか記事だかを読んで大変に感銘を受けて、よし、俺は官僚になって祖国に貢献するのだ、と決意したのだとか。トッドさんに騙されたとか(ギャグで)言っていたような。
内容を簡単に
一体ユーロで何が起こっているのか、非常にわかりやすく解説されています。私も以前にどこかで書いていますが、ギリシャ問題とは借金問題では無い事がよく分かります。問題はユーロ各国に通貨発行権がないこと。事実上ブンデスバンクに全て握られてしまっていること。この一点だけです。
これだな、夜神月さんのAA使った無駄に難解な記事。
これはユーロ全体の問題。イタリアやスペインも同様。実質的にこの問題を引き起こしているのがメルケルドイツ。私は現ドイツは単純にナチスドイツ的に考えていたのですが、トッド氏はウィルヘルム2世の時代に準えていました。なるほど。
もう一つ、中野学校やTVとかで中野剛志さんが、アメリカの、ウクライナ等、東欧での振る舞いが、あまりに迂闊すぎて理解不能、何がしたいのかさっぱり分からん。と言っていたのですが、この件は明確な見解が書かれていました。やっぱこれもドイツ問題なんですねえ。
ドイツの歴史
ところでドイツと言えば先般の記事で、「ワイマール憲法下で民主的に誕生したナチスドイツ」とか書いていたのですが、どうも民主的とは言えないようでした。ので、ちょっと修正しました。
この件、特に裏は取っていませんが、簡単に言ってしまえば、当時のドイツの異変は、日本の異変と同じようなものみたい。日本では515事件から「昭和維新」の名の下に軍閥の政治家が幅をきかせるようになっていったのと重なります。
大統領のヒンデンブルクに問題があったようにも読めますが、Wikipediaを見た限りではそうとも言えない感じでした。
ドイツの近代史を超簡単にまとめると、19世紀末、鉄血宰相ビスマルクの神懸かり的手腕により、一つの強力な国民国家にまとめ上げられたプロイセン。しかしその後、調子に乗ったウィルヘルム2世がそれをぶちこわし、第一次世界大戦で著しく凋落。再びドイツの英雄ヒンデンブルグが立て直すも、ヒトラー率いるナチスドイツに乗っ取られる。勢力拡大するも、第二次世界大戦で壊滅状態に。
メルケルドイツは、みたび破滅への道を歩んでいるのか!?これは必見。