「響け!ユーフォニアム」終了

 ああああ、年が変わってしまった。皆様、今年も世露死苦です。新年一回目は何から始めようか。3週間も書かずにいると書きたいことがたまってくるのと同時に、書くのがおっくうにもなってくる。書き方もよく分からなくなってくる。自然消滅終了しそうな勢いだ。

 
 とりあえずは、あれだ、前回紹介した響け!ユーフォニアム黄前久美子さんの話でもしておこう、なんて思っていたのですが。これが思いのほか難しく。以下ネタバレを含むっていうより観てない人には何のこっちゃワケ分からん、ような気がしますので、引き返すなら今のうちですゴメンナサイ。長いです。


 物語なんてのはガキの頃から、絵本・小説・漫画・映画・アニメ・ドラマ・ゲームなど、さんざん、きっと延べ幾千も見てきたけれど。で、中には主人公が「ストックキャラクター」で分類すると自分と同じ系統かな、と思うことは、ごくまれには、あったのですけれど。


 でもねー、「うわああああコイツ完全に俺やないか!」と思ったのは黄前さんが初めてです。すごい再現率です。主に髪型、とかいうのは置いといて。お前のような銀髪老眼のJKなどおるものか、なんてツッコミは置いといて。このブログ書いてるのは具体的にどんなヤツなのか興味ある、なんていう物好きな方がもしいらっしゃいましたら、この作品を見ると何となく分かるかもしれません。分からないかもしれません。これ観てた人(いたら)どうです?「えー、なんか意外」それとも「あー、なんか分かる」どっちでしょう? 凄く気になるので、よかったら教えてください。


 先週最終回を迎えてしまったし、三期は無いだろうし、後にも先にもきっとこんなふうに感じる作品は出てこないと思うので。書くなら今しかないな。最終回でこんなに寂しい思いをするなんてのは久しぶり、ガキの頃、きっとザブングル以来じゃないかな。つーか、だいたいが久美子ちゃん最終回だからっていくらなんでも寂しがり過ぎだろどんだけ寂しがりなんだよアンタやっぱりそんな奴だったのかって感じでいや参った。



では簡単にご紹介。


 既にあちこちで言われてますけれど。二期五話は本当に見事だったと思います。どうしてこれをアニメ一話に割り当ててやろうと思ったのか。これでいける、と思ったのか。別に私は京都アニメーションのファンでもなかったのですが。この心意気は凄い。アニメで表現するのには全く向いていないことを、あえてアニメでとことんやってみる、という。これは小説の描写表現などにも通ずるところがありますね。感動した。何度も何度も見てしまった。ちゃんと魅せるもの創った。
 
 取りあえずニワカに、楽器の聞き分けがそこそこ出来るようになりました。ホルンめちゃくちゃうまいじゃない!あんな一番遊んでた奴らが、よく頑張ったなあ、みたいな。しかもモブだからロクにセリフも無かったのにねえ。

でもこれは一期からずっと見てこないとあんまり良さが分からないかもしれないね。

 あとあれだ、またニワカですが、最終回の「三ヶ月の舞」の演奏で麗奈のソロのバック演奏、ファゴットだったところサックスで代替してたのかな?合ってる?詳しい人に確認してみたい。


あ、ここから本題ね。

 「響け!ユーフォニアム」とは、JKの学園もの、部活ものアニメ作品です。最近のJK部活もので大ヒットしたのと言えば「ガールズ&パンツァー」が挙げられますね。ガルパンはてな精神科の先生も仰ってましたけどフォーマットは少年漫画で、いかにも少年ジャンプ的な作品です。私の知るところでは往年の人気作「キャプテン翼」とか「魁!男塾」とかに近く、いわゆる「友情・努力・勝利」がテーマの作品、と言っていいでしょう。

 「響け!ユーフォニアム」は全く違います。OPなんか見るとさわやか青春ものみたいですけれど実はそうでもなく、いわば「愛憎・執着・葛藤」がテーマ、どろんどろんした感じ。姉とのディスコミュニケーションぶりとか他人事とは思えず、見ててつらくなった。特に一期のカオスっぷりはなかなかのもので、このカオスがコスモスへと向かっていく様が生々しく描かれます。主人公の久美子は、このカオスからはいつもちょっと引いたところにいるのですが、結局は巻き込まれていくというか、皆との関わり合いを通じて、友情とか信頼、「特別な関係性」を育んでいく、という物語。
 で、私から見ると、とにかく久美子ちゃん考えすぎ。年がら年中考えすぎ。他の視聴者さんがどう思ったかは分からないのですけれど……


 一期では、自分自身のことを考えていることが多い。自分と楽器、吹奏楽、部活。或いは自分と友達、先輩、先生。あくまで自分とのかかわり合いを通じて物語が進んでいく。のに対して二期は、ほぼ自分とは直接関係ない他者の事情ばかり考えています。他者同士のいざこざや葛藤、他者の家庭の事情、他者の恋愛など。まあ、姉やあすか先輩のエピソードは自分と無関係ではないけれど、あくまで主体は相手方。
 
 おかげで二期は「他者イベント回収のため」としか言いようのない、「奇行」としか言いようのない、久美子のヘンな行動が目立ちます。偶然立ち聞きする、偶然忘れ物をする、夜中に何度も徘徊する、台風の中散歩に出かける、無闇やたらに走り回る、などなどなど。 

 そんななので、原作が用意されていた二期であるにもかかわらず、不自然なエピソードやシチュエーションありきの強引な演出が目立つ。なんで鎧塚先輩は久美子に対してあんな饒舌なんや……姉が「人物」というより伏線の「小道具」みたいな扱いになってないか……姉との和解は結構だけど、それはないやろ……とか。他にも色々。声優さん(特に黒沢さん、早見さん)の演技に頼り切ってしまっている感あり。一期に比べると構成がちぐはぐ。予定調和的でありながらまとまりがない。


 しかも久美子、結局は居合わせただけであんまり役に立ってないパターン多いし。希美先輩のエピソードとかもうちょっと何かさせてやってもいいんじゃないの。更にはあすか先輩にそれ(役に立ってないこと)を突っ込ませたのが何ともメタな感じがしてしまい、作品としてちょっとそれはどうなの?という気がしてしまった。あすかの性格のせいでもあるのだけれど。なんか物語外から視聴者がツッコミしてるみたいに見えてしまった。俺がそう思ってたからかな。役に立ってないこと自体は構わないし、敢えてその辺狙ってやったのだろうとも思うのだけれど。狙ってたなら、その割にはストーリーとしてはあまりうまくいってない気がした。


 しかしこれもまあ「現実的」と言えばその通りでして、その場その場でそうそう役に立てるものでもなく。でも、長い目で見れば事件を通じて先輩や友達といわゆる「特別な関係」を育んでいるわけで。

 つまり、久美子は特にリーダーシップがある訳でもないし、人心掌握に長けている訳でもないし、問題解決能力が高いわけでもないし、特別に演奏がうまいわけでもない。にもかかわらず、部内の「特別枠の人」から特別視されてしまうことで、実は意外と部内では特別な存在になっちゃってきてる、というような。


 そういうところを狙って描いている、というのも、きっと確かであろうと。私の期待が大きすぎたせいでハードル上げてしまった、というのはあると思います。これは、つまり、最終回に久美子があすかに、あえて「嫌い」と言った心境と同じようなものなのです……ということで。とても良い最終回でしたよ。



……さあて、だいぶ長くなってきたけど。どうしよう。


実は作中で、久美子が言われてたこと、心に刺さっています。それをここで書けるか、なんですが。友達の麗奈と(①~④)あすか先輩に(⑤、⑥)こんなこと言われてたの。

① 性格悪い
② いい子ちゃんのふりしてる
③ どこか冷めてる
④ なんか見透かされてる気がする
⑤ 頭いいのに愚かだね
⑥ 結局は見てるだけ、何もしない


……私もほとんど同じようなことを、ごく近しい、信頼している人物、しかも複数から言われてたのを思い出してしまった。もっと厳しい感じで。20年以上も前のことですがね。


 その辺のことを書こうと思ったのですが。自分語りって苦手で筆が進まない。だいたいこのアニメ見てない人の方が大多数だろうから、よっぽどうまく書かないと読者の90%以上が置いてけぼりになっちゃうし。というわけで、どうするか検討中。


 実はちょっと、観てた人に問いかけてみたいことがあります。上の①~⑥ってさ、久美子だけではなく、あすか先輩にもそのまま当てはまるでしょう。むしろあすかの方にこそふさわしい形容というか。この二人って表面的にはあまり似てる気もしないけれど、実は似た者どうし、でしょうか。どう思います?



とりあえず適当にPVはって糸冬 (続くか分かりません)

www.youtube.com