今さら、ライブドア事件
前回、堀江貴文さんの名前がチラッと出てきました。もうちょっと何か書こうかとも思ったのですが。以前に書いた岡田斗司夫さんの時もそうだったんですけど、読者さんの中にファンの方もいれば、大っ嫌いだという方もいらっしゃる。ブログ記事とかツイッターとか見てると大体分かるじゃないですか。
なので、そういうの分かってるとなかなか書きにくいものがある。だったら触れないのが無難なのですが、そんなふうに気を遣うのもヘンだし。そんな中で以前、岡田斗司夫さんの記事に挑戦しました。
(またもや過去記事から)
fnoithunder.hatenablog.com
ファン側からも嫌ってる側からも特に反応は無しでちょっと残念。当時はアンチ側が圧倒的優勢になっていて、可燃性の高い案件でもあったし、双方の心情を可能な限り予測・検討した上で、記事を書きながら表現を、慎重に、丁寧に、散々捏ねくり回してしまったので、なんとも言い難い感じになってしまったような気はしている。書き始めてから出稿まで延べ6時間以上掛かった。所要時間は歴代3位。(歴代って……おおげさね)
で、今度は堀江さんも書いてみるか、と思っている。この一月で、例のライブドア事件からちょうど10年だ。
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2015/12/04
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
読んでないんだけどね……
だって今更自己啓発もないよなあ。俺の歳で。
アマゾン書評によると堀江さんは「議論をする時は、意見と人格は分けて考えるべきだし、最終的に合意が取れず平行線だって構わないじゃないか」と言っているそうです。全くその通り。いいこと言ってるじゃないですか。
カリスマ性があるし最近は若い世代に人気があるようです。私はこの人とは割と歳が近いので、そんなおっさんはどう見ているのか、参考程度に読んで頂ければ幸いです。
ただまあ、この人は昔から一貫してリバタリアン系進歩主義者(のよう)ですから私のような保守主義者とは全く相容れません。ので「政治経済」関連では、よく思ったことは一度もありませんし、国防外交なんてとんでもない!! のですが、よくよく考えを知ってみると、哲学や経済を考える上で、参考になること、いいことも言っているような気がしてきた。ので、少し検討することにする。という程度です。(この辺の詳しい話は次回以降に)
で、この本の評価の低い書評を読んでみると、中身と全く関係無い批判してる人ばかりで頂けない。前科者だとかカネの亡者だとか。否定意見てそんなのしかなかったので、つまり読んでないね。そういうのはやめてくれ。2015年に出た本のレビューなんだから、その本の話をしろ。バカも休み休み言え。
がしかし、擁護側にはこんな奴もいてビックリした。
いやいやいやいやいやいや。
全然駄目ですからあんな如何様インサイダー様は捕まって当然ですから。
こっちも、バカも休み休み言え。
放送局買収にしろ球団買収にしろ、あんなの失敗して当然だ。
つーかこの人があのまま成功してたら、日本て法治国家としてどうなんだ?みたいなね。
(まー堀江さんに限った話ではなく色々と問題があるのは分かっております。○松建設とかJ○Lとかパ○ナとかソフ○ンとか楽○とかね。酷いもんだ。要は見ヶ〆料払った上で時の権力者をうまく使えるかどうかですね……)
今こんなん言うと「じゃんけん後出し」みたいに思われてしまうかも知れませんが、そんな訳では全然ないんですよ。あえて言わせて頂きますよ。
当時の私の認識では完全にアウトでした。
(あくまで当時の話ですのでご了承下さいませ)
事件前の認識はこんな感じでした。
なんでコイツ捕まらんの?ライブドアなんてまともな実体無いのになんでそんな資産価値があることになってんの絶っっっ対におかしいじゃんありえねえじゃん、だってこの人の資産て自社株ばっかりじゃん、そんなのどうせ換金なんてできないんだからあってないようなもんだろ、だってライブドアなんてまるで実体ないじゃないかこんなの絶対おかしいよおかしいってありえねえって!オマエラ騙されてるぞ絶対。オイオイこの若造なんで自民から立候補してんだよ*1調子乗りすぎだろいったい世の中どうなってんだ。
いや「若造」って、言うほど歳違わねえだろってのはまあ置いといて……
それでも、マスコミはやたらチヤホヤして、ホントか知らんけど「団塊の世代からすごく人気があるんです」なんて、(確か)ニュース23とかニュースステーションだか報ステだとか(忘れた)で紹介されててさ、なんかあちこちで堀江キャンペーンやってんの。オイオイ何じゃその設定いやいや団塊じじいども(当時50代)はライブドアなんて知ってんのかよ老人どもはネットとかやったことねえからなんも知らねえんだろどこまで節穴さんなんだよもうねバカかアホかと。どっからカネ出てるんじゃワケわからんわ。
って、私の周りの友人と話している間ではそんな感じでした。同世代の方どうでした?
本人どうこうよりも、とにかく持ち上げてるマスコミとか老人どもの方が気持ち悪かった。最近で言うと2012年頃の橋下さん、「突破力がある!」とか「実行力がある!」とかやったら持ち上げてるのと同じ感じ。2014年の小保方さんとかさ。2010年のレンホーさんとかさ。2009年の鳩山さんとかさ。変なところはわざと伏せといておだてまくる、みたいな。(西松建設とか秘書が不審死したとか、報道しない自由みたいなの。松下大臣とかもさ)
まあ色々と裏の事情?があって、わざと泳がしてる感、ありますけど。
でさ、やっぱりコイツはおかしいぞいよいよ逮捕、ってなったらさ、急に手のひら返しだよ。まさに、持ち上げといて一気に叩き落とすってやつだ。急に何もかもスキャンダラスに取り上げてさ、ライブドア社内の内ゲバがどうとか、裏切りがどうだの、美人秘書がどうしたとか、実は社内では全然人望など無い裸の王様なのだ酷い奴だ情けない奴だカネの亡者なのだってさ。
いやあ酷いねマスコミ。いつも通りだけどさ。
ライブドア上場廃止の時もさ。株持ってたやつが大騒ぎしてさ。堀江自身が身を切れ、奴は資産を全て売却換金して損害賠償しろ、そうするべきさせるべきとか言い出してさ。いやいやいやいやいや、「株式」会社って、経営者にそんな「無限責任」ありませんから!「資本」の責任は「株主」にしかありませんから!残念!バカも休み休み言え。まあ、マネーゲームとはこんなものだ。堀江さん側も含めてね。みんな調子に乗り過ぎて粗雑なクソゲーをした、というだけの話だ。
(まあ裁判では、あまりに悪質だったということで損害賠償命令が出ていますが)
本当にこの人は2005~6年あたりに、天国と地獄を見たと思うぞ。2006年は生き地獄だったろう。いじめ殺されるレベルだったと思う。死んでてもおかしくなかったかもね。
まあ、これは今だからそう言っているだけだ。逮捕された当時は、ああやっぱりね、そらそうだろ、って程度。あまり関心がなかった。
まとめ
私が思うにはですね。この大事件で、この人は本当に色々なものを見てきたんだと思うのですよ。本当の地獄、本物の悪魔。
今では若い人から結構人気があるようですが、きっとそれだけのモノを持っているんだと思う。そのカリスマ性とか、凡人には得難い何か、とは、ここ10年くらいで彼の身についたものなんじゃないか、という気はする。ポテンシャルは昔からあったんでしょうけど。
こうして振り返ってみて思ったのだが、少なくともこの人が金の亡者であったことは一度たりともないんでしょう。終始一貫して金は「目的」ではなく、手段だったようだ。
だからこそ今を、颯爽と、堂々と生きているのでしょう。
恐るべし堀江貴文。