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大阪都構想と構造改革論

 とにかく住民投票日までは続けようと思っている大阪都構想ネタ。2ちゃんねるツイッターなんかも見てるんですが……いやあ酷い、2ちゃんねる。酷すぎ。ゴミのよう。昔はね、政治ネタって面白かったと思うんだけどなあ。ツイッターの方はいくらかマシな気がするけど。

いつまで都構想ネタで消耗してるの?

来週までだ!!


 はてなではあんまり話題になりませんね。皆きっと「美しいもの」が好きなので、こんな話はしたくないのでしょう。うちでも、都構想って要は構造改革だろ、と別方向に話を振ってもらっているし。そっちも美しくはないけれど。構造改革の話を絡めてみましょうか。

何度もやってますけど「構造改革」おさらい

一言で言ってしまえば「レッセフェール」のことです。
どこまでやるのか、そんだけの話。

日本では1980年代から主流になってきた構造改革。1996年の橋本政権から本格化。以後20年間は基本この路線。日本でデフレが始まったのは1997年頃からなので、結果的に構造改革=デフレですね。


 近代で構造改革を始めたのはサッチャーレーガン。両者は酷いインフレーションスタグフレーションを押さえ込む為に構造改革を敢行しました。中曽根さんもこの路線で成功してる。電電公社国鉄を民営化し、料金の高騰を押さえ込みましたね。

要するに、構造改革とは「経済的」にはインフレを封じる為の政策です。デフレを起こすための政策。


 構造改革=デフレはグローバルスタンダード。当然の法則です。レッセフェールはデフレになる。これ当たり前。景気が良くなるわけがないし、なった試しもないし。*1
いったいなぜ政治家は「構造改革」路線を取りたがるのでしょう。

なぜ「構造改革」?

 私が思うに理由は二つあり、複合している。まず、ここ20年で構造改革路線を踏襲したのは、

①橋本 ②小泉 ③安倍 ④福田 ⑤菅 ⑥野田

以上、六つの政権。

1.使命

 このうち、①橋本 ③安倍 ④福田 は、「とにかく改革が必要だから」というような、強迫観念に近い感じ。「とにかく改革しないと日本はダメになる。改革しないとダメなんだ!」。これ理由になってない気もするね。

 問題の、1.現象 2.原因 3.対策をマトモに検討してない。これ実は、完全に「左翼」な発想であることを忘れないで下さい。たとえ今は辛くても、これを乗り越えれば素晴らしい未来が待ってる、という確信が、なぜかある。デフレ不況しかないのにね。


 ただもう最近では、そんな素晴らしい未来は来ない、というのがバレてきてる。「1000兆円の借金」も増える一方だし。それでも、構造改革とは宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルへ行くようなもので、とにかく誰かがこれをやらねばならぬ。期待の人が俺達ならば。日本滅亡の日まで、あと●●●日。てな具合。コスモクリーナーでもってグレートリセット。こういう悲愴論は今の自民党だと石破さんが筆頭かな。

2.民意

 ②小泉 ⑤菅 ⑥野田 はちょっと違う。そしてこっちの方が重要。構造改革路線を取った方が支持率が上がる。人気が出る。いわゆる「民意」ってやつ。

「小泉構造改革」は非常に単純なストーリー立てになってる。痛みに耐え、悪い奴を倒すって話なんだよね。「日本の未来のために小泉は抵抗勢力と闘う!」っていうね。分かりやすいし、だから人気があった。菅・野田は完全に小泉のマネ。


 小泉さんはスマートなんだよね。勝つための適切なマーケティングとシナリオ立てがあった。決してぶっちゃけることはなかった。民衆のため「役者」に徹していた。そこは本当に見事だった。単純ではあったが、歴代総理でも非常にアーティスティックな部類なのは間違いない。


橋下さんも、小泉さんの手法を色々と踏襲してる。よく研究してる。政策は基本同じだし。でもねえ。橋下さんのツイッターなんか見てればわかるよね。橋下BOT2ちゃんねるツイッターも似たようなもの。


 「税金で喰ってる役人。既得権者の公務員。オマエラは負い目を感じて当然。税金の無駄そのもの、霞ヶ関のろくでなし、穀潰し官僚中野。世間知らずの三流バカ学者チンピラ藤井。文句があるならオマエラがやってみろ。現場を知らないド素人め。すっこんでろ。逆らうヤツは既得権にしがみつく寄生虫、シロアリ。共産党


 小泉さんは上品だった。でも、あれもね、橋下さんに言わせれば「何かっこつけてんだよ。総理大臣ちゅうのは権力欲、名誉欲の最高峰だろうがよ」
ぶっちゃけて何が悪いのよ。


橋下徹「まっとう勝負」


あちらの方言では「いちびり」って言うそうですが。


 以前は「悪を倒す」だったけどね。今では、「あいつら寄生虫なんだよ。シロアリなんだよ。害虫は駆除すればいいんだよ。ずるいヤツはぶっ叩く。気に食わないヤツは引きずり下ろす。それでいいじゃねえか。それが本音なんだろ。かっこつけてんじゃねえよ」



例えば大阪都構想立案者の一人(中心人物かな)である、高橋洋一氏のコラム。

gendai.ismedia.jp

「都構想のメリットはシロアリ駆除」なんですって。
でも、そのシロアリって人間だよねえ。

この人ホントに口達者だけど。ホントに酷いんだよね。人としてどうなんだ。

なんかもう、色々と崩壊してしまっている気がする。


権力を得る為に必要なもの。

かつてのそれは、今とは違った。
2000年前は神秘性。1500年前は徳。宗教。1000年前は人望。騎士道。武士道。そして平和な時代はカネがものを言い、戦乱の時代は力がものを言う。


それが現代では「民意」になった。

フランス革命以降、最も強力な「武器」、最も強い「権力」とは、「民意」の名を借りた「大衆」のルサンチマンになっていった。*2


橋下さんはそれをよく分かっている。
勝つために、最も強力な武器を手にして闘っている。


構造改革したところで、日本はますます悪くなる一方。
景気が回復することなどない。日本が復活することはない。


そもそも「大衆」は、皆の幸せなど望んでいないのだ。

「悪い奴を倒す」
「ずるいヤツをぶっ叩く」
寄生虫を駆除する」


「悪い奴」は倒され、「シロアリ」は路頭に迷う。
大衆様がそれを望んでいるのだ。

それが「自由」「平等」「博愛」の「ぶっちゃけた」姿なのだ。
 
 

*1:構造改革に金融緩和を絡めると、一時的に経済が良くなったようにも思えることがあります。この話はいずれまたやります

*2:ヒトラー政権とは大衆社会のルサンチマンが原動力だ