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逆襲の安倍晋三

保守思想
シャア・アズナブルという人のことを知っているかな

 今回のタイトル、なんか格好良い響きというか、釣り臭いというか。これはアニメ映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のパロディです。ご存じない方にお知らせしますが、この映画の主人公シャア・アズナブルは(この話では)客観的に見ると、格好良くありません。ので、そういう話になります。あしからずご了承下さいませ。安倍ファンの方はお引き取り頂いた方がよろしいかと。あと、前回の続きですので、未読の方はまずこちらを。
 
前回記事 ↓↓

 
 ここで、ガンダムを知らん、という人のため、簡単に説明を。

人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が経っていた。地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。
宇宙世紀0079、宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府独立戦争を挑んできた。この戦いでジオン公国と連邦は総人口の半分を死に至らしめた。人々はそのみずからの行為に恐怖した

というのが環境設定。スーパーロボットアニメです。シャアがまだ幼いころ、独立闘争のさなか非業の死を遂げた父。その遺志を継ぐシャアの取った手段とは。
 
今回取り上げる「逆襲のシャア」は「宇宙世紀シリーズ」本流の完結編です。
機動戦士ガンダム
機動戦士Ζガンダム
機動戦士ガンダムΖΖ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
 
ガンダム」のお話は他にもいっぱいある(らしい)のですが、この4作が本流。①~③がTVシリーズ、④が映画。これ4つとも全部知らない、という人に④を解るように説明するのって、ちょっと私には無理な気がしてきました。
 あと、私は別にガンダムマニアという訳でもないので、何か間違っているところに気付いた方は教えて下さい。

 通じるか解りませんが、もう適当に進めますよ。
 「逆襲のシャア」では、シャアは「ネオジオン」の総帥になっています。人類の革新と地球環境保護のため、全人類が宇宙へ移民すべきだと主張しゲリラ戦を展開。そして地球のため、人類のため、小惑星を地球に落として寒冷化させ、地上人類を滅ぼそうとする。
 
 父の「崇高なる遺志」を受け継ぐと言って大義名分を掲げ、しかし目指すところは急進改革、地上人類の滅亡による地球の「救済」。そして地上人類を愚民と罵り、粛清すると宣言する。その一方では、個人として一パイロットであるアムロ・レイに拘り続け、男と男の決着だのライバル同士の戦いだのと言う。しかし結局、最後に出てくるのは、恋人ララァ・スンアムロ奪われ、殺されてしまったことに対する恨み辛み。

 最後は小惑星落下への筋道を立てるのには成功するものの、モビルスーツの戦闘ではアムロに歯が立たず、実力の差を見せつけられ、こっぴどくやられてしまいます。命からがら脱出カプセルで逃げるも、すぐにアムロに捕まってしまいます。そして絶望的な状況の中、最後まで諦めず、地球を救おうとするアムロ
 そんな宿敵アムロに対してシャアは、言い訳じみた御託を述べ、そして負け惜しみ、恨み辛みを言いつのる。その様はとても格好悪い。

 これはある意味、前回紹介した三島由紀夫氏の悲喜劇のお話を思わせるところがあります。未来へと続く悲喜劇、かも知れません。
 

シャアの動機とは

 この戦い、シャアにとっては人類救済のための「公徳」が動機だったのか。それとも個人のポリシーに基づく「私徳」のためだったのか。それとも単に個人の怨念、エゴだけだったのか。いったいシャアは何がしたかったのか。シャアの宿敵であるアムロやブライトが、割と単純な「正義の味方」のように描かれているのとは対照的に、シャアは複雑な葛藤を抱えた「悪役」として描かれます。 
 惨めに敗北したにもかかわらず、シャアはガンダムシリーズでは屈指の人気を誇るキャラクターなんですよね。多分、一番人気なんじゃなかったかな。

安倍首相と被るところ

個別の台詞で、安倍首相を連想させるのは以下の辺り。
 連邦政府高官と嘘の和平工作を結んだ後のシーンで、カネを貰ってウホウホしながら去っていく連中に、
「俗物どもが」と吐き捨てるように言います。そして、
アムロ、私はあこぎなことをやっている」と独白。
 
 安倍首相は「日経平均株価指数」に執着し、これも支持率の為であると、ろくでもないことを企んでいるし、あこぎなことをやっている自覚はあるでしょう。そして株価も支持率も、それ自体は目的ではなく手段に過ぎない。カネや権益に群がる取り巻き連中を「俗物どもめ」と見下しているかも知れません。

 或いは、シャアは政治向けの仕事として、何度か演説をします。これを「道化」だと言って自嘲したり。まあ、シャアの演説は格好良いのですが、安倍首相のはちょっとどうかと思いますね。昨年度末の大納会出席には心底呆れ果てましたが、ご自身も「これでは道化だ」という自覚はあるんじゃないでしょうか。
 
そしてシャアは、ナナイやクェスなど、女性相手には格好つけた台詞が多い。
 
「私は信じる道を進んでいるつもりだ」
「潰しはしない。地球にはちょっと休んでもらうのさ」
「誰かが人類の業を背負わなければならない」
「父の名を継ぐのは重い」

 この辺のはなんか、建前で言っているような感じもするのですが、あえてそういう演出なのだと思います。シャアの恋人であるナナイは、そういうところも解った上で、そして自分など本当は彼の眼中にないのだと承知の上で、それでもシャアを愛しています。
 これも阿倍氏に準えると、いわゆる「保守層」向けの靖国パフォーマンスとかを連想してしまいます。例えば水島総さんは全て解った上で、それでも安倍晋三を愛しているのでしょうか。それともクェスみたいに、すっかり騙されてしまっているのでしょうか。水島クェス……

まとめ

 今回はいくつか、シャアと安倍首相の類似性を挙げてみました。如何でしたでしょうか。私が普段、安倍政権と言えば批判ばかりなのは、私がいわばロンド・ベルの立場だからなのです。アムロだってシャアを全否定している訳ではない。共感できるところだって無いわけではない。でも絶対に倒さねばならないと考えている。
 しかしじゃあ、安倍首相のやろうとしていることは「アクシズ落とし」並みに危険なのか、について次回、考えてみようと想います。

ガンダム

 昔は解っていなかったことで今回よく解ったこと。オルテガの「大衆の反逆」の哲学が非常に色濃く出ているのだなあと。静夏堂さんの薦めで割と最近、ガンダムの監督、富野由悠季氏のインタビュー動画「ガンダム者」を見ました。「大衆の反逆」に言及していて「大衆が反逆して何が悪い。俺がやっているのは大衆からの反逆だ」みたいに言っているので、なにこの人オルテガ完全否定なの?って思ってしまったのですが。よくよく聞いてみれば全くそんなことは無い。オルテガの言う「大衆」を非常によく解っているのだと。宇宙世紀シリーズのガンダムではそれが物語の根底にあって、テーマの一つなんだということが、今回久々にガンダムを見てよくわかりました。
 
 

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