岩盤規制を守れ!

西田先生のおっしゃるとおりでした

 前回記事、東京都知事選挙の結果が出ました。うーん。誠に残念ながら、やっぱり西田師匠の仰っていたように「舛添さんということで仕方がない」ということになってしまいました。田母神さんネットで大人気(笑 …… なんというか、まだまだ、なんですなあ。まあまあ、気を取り直して頑張りましょうね。

安倍政権はどうよ

 最初に、私の安倍政権に対するスタンスを申し述べておきます。
第一次安倍政権が誕生した2006年9月。私は、戦後レジームからの脱却を掲げる安倍総理を、とても頼もしく感じていました。ようやく日本が始まった。日本は、ついに真の独立への第一歩を踏み出したのだ!私は、安倍総理には大変な期待を寄せていました。しかし、朝日新聞を始めとした、大手マスコミの猛攻、自民党内部でも背後から殴ってくるヤツなどいて、安倍首相は、わずか一年で退陣へと追い込まれてしまいました。
うあああ、やっぱり日本は駄目なのか。このまま沈んでしまうのか。今後日本は、10年は持つかもしれないが、20年は持たないだろう。これは日本の終わりの始まりである……
 てな感じに、大変落ち込んでしまいました。そしてその2年後、ついに政権交代、ついに民主党政権が誕生!ってなわけで、うわああ、これで日本の寿命は10年縮んだ!日本はおしまいだあー!みたいな。
ですから、安倍総理の再登板は、まあまあ、よかったよかった、と。嬉しいというよりはホッとした、という感じです。日本の滅亡はとりあえず回避されたと。まだだ、まだ終わらんよ。日本は。ただ、安倍さんの出番は、もう少し先になるのではないかな、と思っていました。
というわけで、私は昔から安倍支持、安倍贔屓。そんなヤツです。

ダボス会議での安倍首相の演説

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0122speech.html
想定内の範疇では、あり、ます、がっ……
うーん……残念ながら、行政官として「経世済民」を司る責務がある、という気概は全く感じられません。というよりむしろ逆。日本の文化を保守しよう、日本国民を守ろう、という気は全くなく、新自由主義の改革を断行しよう!って話ですから、いわゆるティーパーティ系アメリカン保守文化を日本に定着させるぞ、ってなことになってますね。

(「経世済民」の記事はこちら)
http://fnoithunder.hatenablog.com/entry/2014/01/28/235658

新自由主義イデオロギー的には、そういうものなのでしょう。陽動作戦的な、なにかなんじゃないか、本意は別にあるのではないか。なんて、安倍首相の言動を聞いては、私的にはそう解釈しようと思うことがあるのですが、それは好意的に捕らえすぎか、と最近は戒めるようにしています。
なにしろ「岩盤規制」ってヤツを私のドリルでもってぶっ壊すぜ!って話ですから。まるで進撃の巨人に出てくる「鎧の巨人」や「超大型巨人」じゃないですか。安倍さんて「人類」の側じゃなかったのか……?

進撃の巨人、ご存じない方はこちら)進撃の巨人PV
http://www.youtube.com/watch?v=KKzmOh4SuBc

 外国人投資家、というか、投機家さんでしょうか。あるいはハイエナだかハゲタカだか「巨人」だかわかりませんが。儲かるぞ!おいしそう!ということで、ぶっ壊れた岩盤からワラワラと群がり進入してくるのでしょうか。まあ結局のところ、残念ながらか幸いにしてだか解りませんが、なんだよ、大した中身もねえじゃんか、ってなことでスルーされてしまうような気もします。だといいんだがなあ。この岩盤規制とか言われている分野、伝え聞いた範囲では、国民の生活安全保障にかかわるものが多いようで、海外投資家、投機筋にとっては大して旨味がある分野という気もしませんが、しかし外資に持たせるのは危険でしょう。日本弱体化には効果的、といったところでしょうか。
経世済民」とは効率・生産性を高めることではありません。お金儲けをすることではありません。国家の目的は、生産性の向上や投資効率の追求ではありません。個々の国民や企業はそれらを目指すのは大いに結構で、それは国力を高めることにも繋がります。しかし行政府が司る「経世済民」とは国民を幸せにすること。国民を守ることです。国民の側もまあ、大手マスコミが主導する、文句ばっかり、揚げ足取りばっかりの「モンスター国民」から脱却しなければいけませんけど……

岩盤は壊せるのか?

 でもまあこれ、「既得権益にしがみつく抵抗勢力」ってのが自民党にはたくさんいるし、そう簡単にぶっ壊せるのかなあ。小泉竹中構造改革の時は、そんな言うこと聞かない奴は「既得権益」だの「抵抗勢力」だのってレッテル貼りして、実際にバッサバッサと切り捨ててきたわけです。しかし安倍首相は、どうもそこまでやる気は無いらしい。おかげでなかなか改革が進まない。ので竹中先生も苛立っているようです。というか、自民党内は「既得権益にしがみつく抵抗勢力」が相当多い。かつての構造改革では抵抗勢力の側だったはずの「国土強靱化」を推進する人たちが「国土強靱化基本法」を通してしまっているくらいだし。状況は大分変わってきているのだろう、とは思います。

国民経済のあり方

 とにかくこの「岩盤規制」をぶっ壊す、という話は色々と問題が多い。
三橋貴明先生の「経済の階層」の話に詳しいので、ご存じの方は、今更ですが今日の更新分はすっ飛ばして構いません!ご存じない方は三橋先生の著書を読んでね!ってそれじゃあ当ブログは存在意義を失ってしまう!ので、なんか私なりに、ちょっとざっくりあらすじを書いてみます。
一言でいうなら、「国民の安全保障」に関わる部門は、国家が責任を持って遂行すべきだ、ということです。なんでもかんでも、生産性や効率を追求し、商売として成立させる、成立しないヤツはゾンビなので潰す、っていうの、なんかおかしくない?本当にそれでイイの?
 国民の安全保障、っていうと、まず、警察・消防・軍隊が連想されるかと思います。でも他にもたくさんあるのです。食料の確保、水の確保、エネルギーの確保、治山治水、物流の整備、国民の健康、自然災害に対する備え、災害復興などなど。なんでもかんでも民営化すればいいのか。地方とかで、商売として成立しない場合は切り捨ててしまうのか。或いは、金だけ払って外国にお願いしてしまって、本当に国民の生活安全保障が担保できるのか。 という話です。

国際公約!?んなアホな……

 この、ダボス会議での演説内容、例えば国内向けの施政方針演説、党首討論なんかでこういうことを言っている分には、まあまだ、許されるのかな。とも思うのです。「そうはさせん!」という勢力、つまり与野党各党、省庁やら各種団体など、みんなで侃侃諤諤するわけで、そういう状況ではそんなに重大な問題にはなりません。
しかし外国の会議やらサミットなんかで閣僚が発言してきて、帰国したら「これ国際公約だから!やるって言っちゃったから!もう決まったことだから!」ってのをたびたび聞くようになりました。
 消費増税は、この理屈が使われていましたね。私が見聞きしたところでは麻生財務大臣竹中平蔵先生らが、「消費税は国際公約だから!」と仰っていました。なんと犬猿の仲の両先生が奇遇にも同じことを!金融や証券マンの解説だと、国際金融資本、IMF格付け会社なんかが消費増税を望んでいる、増税しないと日本国債が暴落する!から、やむを得ないんだとか。ああー馬鹿馬鹿しい!そんな腐れ守銭奴さんの虚仮威(こけおどし)をもっともらしくニュースで解説するとか。本当に馬鹿馬鹿しい。
 これ、論法としては全く納得がいきません。国会、すなわち「国権の最高機関であり国の唯一の立法機関」での、議論の結果として決まったことなら、国民は受け入れなければなりません。たとえ個人的には不本意なことであっても、やむを得ない。諦めるのがスジです。しかし行政官が勝手に海外で発言してきて「国際公約」だ!とか言い張って国民に強要するのは、民主主義の否定です。こりゃ絶対駄目です。
 とまあ、ここまで散々書いてきてなんですが、ダボス会議くらいだったら、まだ大丈夫かなあ。とは言うものの……


国民経済のあり方を三橋先生が解説! ↓

国富新論

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